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2024.12.01

「自主練も塾も留学も必要ない」は本当か

普通のサッカーをしていれば上手くなる?

私の好きなサッカー解説者の一人、小澤一郎氏の著書“スペインで「上手い選手」が育つワケ”の帯にはこう書いてあります
スペインで上手い選手が育つ秘訣は、「普通」のサッカーをすることです。
自主練もドリブル塾もサッカー留学も必要ありません。

確かにスペインの子どもたちにサッカー留学は必要ないと思います。
ただ、私たちがいるのはスペインではなく、極東の島国「日本」であり、また子どもたちはそれぞれサッカーを始めた年齢や、所属するチームの環境、コーチの指導レベルも異なります。
子どもの頃から良い環境で成長できている子や小澤氏の著書に紹介されていたような素晴らしいチームであれば、仰ることが当てはまるのかも知れません。
しかし、単に「自主練」や「セカンドスクール」を否定的に捉えるのではなく、所属チームのトレーニングだけでは物足りないと考える人がいたり、自主練習やセカンドスクールを楽しんでいる子がいること、そしてセカンドスクールも玉石混合だということを考慮して頂きたかったと感じています。

例えば使えるコートが一つしかない、もしくはコーチが一人しかいない、という状況で各年代のトレーニングを行う場合、
運営側は練習時間は短い方が複数のカテゴリーが練習できるので都合が良い、
また受講者側は、受講クラス数(時間)が増すと費用も上がることから、
長く練習をする弊害をいくつも挙げ、逆利き足の練習やセカンドスクール自体を否定する論調も目にしました。

確かに本の内容にあるように練習時間は長くても、人数が多すぎて指導者の目が行き届かず、「何となくダラダラやっている時間」が多かったり
「量をこなすこと」のみを美徳とし、「練習の質」が低いのであれば、それは問題です。

しかし、適切な「選手の人数」と、「練習の質を追求」したカリキュラムを、子どもたちの「上達する喜び」を引き出しながら行うことで、子どもたちは時間を忘れて熱中できます。
ブラジルのファベーラ(スラム街)のストリートサッカーのように、子供たちが時間を忘れて夢中になれる環境が大切なのです。

長すぎる練習はケガを誘発する、という論調も、どのような内容をどれくらいやったかにより一概には言えないでしょう。
ジュニア年代で無駄な走り込みや、ハードな練習ばかり行うことは私も反対です
ただ、練習後の身体のケアや食事、睡眠を適切に摂っていくことで、予防できるものもあれば、やむを得ないケガもあり得ます。
私自身は子どもの頃、少年団で主に週末しかサッカーをしていなかったにもかかわらず、両膝、両かかとの痛みに数年間苛まれました。
必ずしも練習量の多い少ないに関係するとは言えず、成長速度など個人差にもよる問題です。

「どこにいるか」で人の能力は決まる

FULL POWER ~科学が証明した自分を変える最強戦略~(ベンジャミン・ハーディー著)

本当の意味でのコミットメントとは、自分の中にある内なる決意や意志の強さだけに頼ることではない。目標の外周を防御システムで固めてしまうということだ。つまり、「目標を確実に達成できる環境」を自分で作り上げるのだ。

私たちは、環境に適応する。そのため、個人レベルで意識的に進化していくには、環境を意図的にコントロールして、なりたい自分を形作ってくれる環境を構築する以外に道はない。
積極的に“場所”を変えていかない限り、自分が生まれた環境が、残りの人生に多大な影響を直接的に及ぼすのだ。

場所と「目的」を合致させる

環境デザインとは、成功せざるを得ないような状況を作り出すことを指す。
たとえば仕事に集中したいなら、「気が散ってしまうようなもの」は物理的にもデジタル的にも仕事環境からすべて取り除かなければいけない。
 
たとえば付き合う人たちを変えるなどして自分の環境を変えると、自分の考えや感情も変わるものだ。
こうした内面的な変化によって自分の価値観や願望が変わり、そのため今度は自分の外の環境をさらに変える必要性が出てくるようになる。
つまり環境に変化を加えることで、自分の姿を積極的に形作っていくことができるのだ。

ほとんどの人は、自分の環境に対して何も考えず反射的に行動している。そのため、効率の悪い行動や被害者マインドへと続く世界観を無意識に作り出してしまう。

楽な群れに加わってはいけない。成長などできないからだ。パフォーマンスへの期待と要求が高いところへ行きなさい。
- ジム・ローン(著作家・講演家)

強風の環境で育つ木は、深く根を張るようになり、厳しい環境に負けない木になる。
自分を追い込まない限り、成長はない。詩人のダグラス・マロックは、こう表現している。「良い木材は、楽に成長などしない。風が強ければ強いほど、木も強くなる」

良質な人間もまったく同じだ。もっと強くなりたければ、厳しいトレーニングを積む。
仕事で世界レベルになりたければ、もっとハードルの高い仕事に身を置く。
現在の自分の能力を上回るプロジェクトを受入れ、人としてもっと深い根を張れるように、自分を追い込むことが必要だ。

ベンジャミン・ハーディー氏と小澤一郎氏

どちらの論調が合うのかは人それぞれでしょう。
個人的には「1日の練習時間は短くていい」「自主練習はいらない」という論調が広まってくれるのはありがたいです。
私はスクール生の応援をしている立場なので、それ以外の子どもが自主練習をせずに成長しないことは別によいとも思っています。
皆さまが我が子を思う気持ちに近いのかもしれません。

ただ、東京大学合格を目指す受験生に対し「自主学習は必要ない」「塾は必要ない」「留学も必要ない」と言う論調を自信をもって言える人は少ないでしょう。
自主練習も、塾も、留学も、それ自体ではなく全ては「質」の問題なのです。

新しいものや流行りに目移りして次々に所属を変えることも問題ですが、合う合わないはあるので、お子様に合った場で有意義な時間(ゴールデンエイジ)の使い方をしていただければ幸いです。

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